お知らせ

残尿感があるのはなぜ?女性・男性それぞれの原因と受診の目安

「トイレを済ませたのに、まだ尿が残っている感じがする」

「排尿後もすっきりしない」

「何度もトイレに戻りたくなる」

このような症状を「残尿感」といいます。

残尿感は、実際に膀胱の中に尿が残っている場合だけに起こるものではありません。膀胱炎などによって膀胱が刺激され、尿がほとんど残っていないのに「残っているように感じる」こともあります。

女性では膀胱炎、男性では前立腺肥大症や前立腺炎などが代表的な原因です。症状が続く場合や、痛み・発熱・血尿などを伴う場合には、自己判断せず泌尿器科へ相談しましょう。

残尿感とは?

残尿感とは、排尿を終えたあとも「尿を出し切れていない」と感じる症状です。

ここで大切なのは、次の2つは必ずしも一致しないということです。

  • 残尿感:尿が残っているように感じる自覚症状
  • 残尿:排尿後も実際に膀胱内に尿が残っている状態

残尿感が強くても、検査すると尿がほとんど残っていない場合があります。反対に、自覚症状が乏しくても、膀胱内に多くの尿が残っていることもあります。

そのため、感覚だけで原因を判断するのは困難です。

残尿感の主な原因

残尿感は、大きく分けると次の2つの仕組みで起こります。

実際に尿が残っている

尿道の通り道が狭くなっている場合や、膀胱を収縮させる力が弱くなっている場合には、尿を十分に排出できません。

排尿後も膀胱内に尿が残るため、本当に「出し切れていない」状態です。

尿は残っていないが、残っているように感じる

膀胱や尿道に炎症や知覚の過敏があると、尿がほとんど残っていなくても残尿感が生じます。

女性の急性膀胱炎や、男性の前立腺炎などが代表的です。

女性に多い残尿感の原因

急性膀胱炎

女性に突然残尿感が現れた場合、まず考えられるのが急性膀胱炎です。

残尿感のほかに、次のような症状を伴うことがあります。

  • トイレが近い
  • 排尿時に痛みがある
  • 排尿の終わりに痛む
  • 尿が濁っている
  • 尿に血が混じる
  • 下腹部に違和感がある

膀胱炎では、実際には尿がほとんど残っていなくても、炎症によって膀胱が刺激されるため残尿感が起こります。

膀胱炎が疑われる場合は、尿検査で白血球や細菌、血尿の有無などを確認し、必要に応じて抗菌薬で治療します。

市販薬や水分摂取だけで様子を見続けると、感染が腎臓へ広がることもあるため注意が必要です。

過活動膀胱

過活動膀胱は、突然我慢しにくいほど強い尿意が起こる「尿意切迫感」を中心とした病気です。

次のような症状がみられます。

  • 急に強い尿意が起こる
  • トイレまで我慢できない
  • 昼間の排尿回数が多い
  • 夜中に何度もトイレへ行く
  • 尿が漏れることがある
  • 排尿後もすっきりしない

残尿感だけで過活動膀胱と診断することはできません。膀胱炎や排尿障害など、ほかの病気がないかを確認する必要があります。

骨盤臓器脱

出産や加齢などによって骨盤底の筋肉や組織が弱くなると、膀胱や子宮などが下がってくることがあります。これを骨盤臓器脱といいます。

膀胱が下がる「膀胱瘤」では、膀胱や尿道の位置が変化して尿を出し切りにくくなることがあります。

残尿感のほかに、次のような症状があれば可能性を考えます。

  • 腟から何かが下がってくる感じがする
  • 股の間に物が挟まっている感じがする
  • 長時間立っていると症状が強くなる
  • 尿が出にくい
  • 尿漏れがある

神経因性膀胱・低活動膀胱

膀胱を動かす神経や膀胱の筋肉の働きが低下すると、尿を押し出す力が弱くなります。

原因としては、糖尿病、脳や脊髄の病気、腰椎疾患、骨盤内手術の影響などがあります。加齢によって膀胱の収縮力が低下することもあります。

男性に多い残尿感の原因

前立腺肥大症

中高年男性の残尿感で特に重要なのが前立腺肥大症です。

前立腺は膀胱の出口付近で尿道を囲んでいます。前立腺が大きくなって尿道を圧迫すると、尿が通りにくくなり、膀胱内に尿が残りやすくなります。

残尿感以外にも、次のような症状がみられます。

  • 尿の勢いが弱い
  • 排尿に時間がかかる
  • 尿が途中で途切れる
  • 排尿時にお腹へ力を入れる
  • 排尿後に尿が少し垂れる
  • トイレが近い
  • 夜中に何度もトイレへ行く

症状が進むと、尿がほとんど出なくなる「尿閉」を起こすこともあります。

慢性前立腺炎・慢性骨盤痛症候群

若い男性や中年男性の残尿感では、慢性前立腺炎や慢性骨盤痛症候群も考えられます。

次のような症状を伴うことがあります。

  • 会陰部や下腹部の違和感
  • 陰茎や精巣周辺の不快感
  • 排尿時の痛み
  • 頻尿
  • 尿道の違和感
  • 射精時または射精後の痛み

細菌感染が明らかな場合だけでなく、骨盤周囲の筋肉の緊張や神経の過敏などが関係している場合もあります。

症状が良くなったり悪くなったりしながら長く続くこともあるため、膀胱炎だと思って抗菌薬を繰り返すのではなく、原因を確認することが大切です。

尿道炎・性感染症

若い男性で、残尿感に加えて排尿痛や尿道からの分泌物がある場合には、尿道炎の可能性があります。

クラミジアや淋菌などの性感染症が原因となることもあります。感染の可能性がある場合は、自己判断で抗菌薬を服用せず、適切な検査を受けましょう。

尿道狭窄

炎症、外傷、尿道への処置などの影響で尿道が狭くなる病気です。

尿の勢いが以前より明らかに弱くなった、尿が細い、排尿に時間がかかるといった症状を伴います。

男女共通で考えられる原因

男女どちらにも起こり得る原因として、次のような病気があります。

  • 膀胱炎などの尿路感染症
  • 尿路結石
  • 過活動膀胱
  • 神経因性膀胱
  • 低活動膀胱
  • 間質性膀胱炎・膀胱痛症候群
  • 膀胱や尿道の腫瘍
  • 薬の影響

風邪薬、抗ヒスタミン薬、抗不安薬、抗うつ薬など、一部の薬は排尿を悪化させることがあります。

ただし、必要な薬を自己判断で中止するのは危険です。服用中の薬がある場合は、お薬手帳や薬の一覧を受診時に持参してください。

残尿感があるときに行う検査

泌尿器科では、症状や経過に応じて次のような検査を行います。

問診

残尿感が始まった時期や、排尿痛・頻尿・血尿・発熱・尿の勢いなどを確認します。

持病、手術歴、服用中の薬についても重要な情報です。

尿検査

膀胱炎などの感染、血尿、尿糖などの有無を確認します。

症状だけでは膀胱炎と判断できないため、尿検査は原因を見分けるうえで重要です。

残尿測定

排尿後に、超音波などを用いて膀胱内に残っている尿量を測定します。

痛みを伴わず、短時間で確認できる検査です。これによって、残尿感だけなのか、実際に多くの尿が残っているのかを区別できます。

超音波検査

腎臓、膀胱、前立腺などの状態を確認します。

結石や前立腺の腫大、膀胱内の異常などが疑われる場合に役立ちます。

そのほかの検査

必要に応じて、尿の勢いや排尿量を調べる尿流測定、血液検査、尿細胞診、膀胱鏡検査などを検討します。

すべての患者さんに同じ検査を行うわけではありません。

早めに受診した方がよい症状

残尿感が一時的で軽く、すぐに改善する場合は、必ずしも緊急性が高いとは限りません。

ただし、次のような場合には早めに泌尿器科を受診してください。

  • 残尿感が数日続いている
  • 症状を繰り返している
  • 排尿時に痛みがある
  • 尿が濁っている
  • 尿に血が混じる
  • 尿の勢いが弱くなった
  • 排尿に時間がかかる
  • トイレが近い
  • 夜中に何度もトイレへ起きる
  • 下腹部や会陰部に痛みがある
  • 腟から何かが下がってくる感じがある

すぐに受診が必要な症状

次の症状がある場合は、時間帯によっては救急医療機関への相談も検討してください。

  • 尿意はあるのに尿がまったく出ない
  • 下腹部が張って強く痛む
  • 発熱や悪寒がある
  • 背中や脇腹に強い痛みがある
  • 吐き気や嘔吐を伴う
  • 血の塊が出て尿が出にくい
  • 全身状態が悪い

尿がまったく出ない「尿閉」や、腎盂腎炎などの可能性があります。

残尿感があるときに自分でできること

受診までの間は、次の点を意識してください。

  • 尿意を長時間我慢しない
  • 排尿回数や症状を記録する
  • 排尿痛、発熱、血尿の有無を確認する
  • 服用中の薬を確認する
  • カフェインや飲酒で悪化する場合は控える
  • 下腹部を冷やしすぎない

一方、無理に大量の水を飲んだり、何度も強くいきんだりすることはおすすめできません。

前かがみになって何度も尿を絞り出す行為も、原因の解決にはなりません。症状が続く場合には、実際の残尿量や原因を調べることが先決です。

残尿感は泌尿器科で相談できます

残尿感には、膀胱炎のように比較的短期間で治療できるものから、前立腺肥大症、過活動膀胱、神経因性膀胱など継続的な治療が必要な病気まで、さまざまな原因があります。

「尿が残っている感じがする」という症状だけでは、本当に尿が残っているのかは判断できません。

特に、残尿感が続く、繰り返す、排尿痛・血尿・発熱・尿の出にくさを伴う場合には、早めに泌尿器科へご相談ください。

ぐみょうじ泌尿器科では、横浜・弘明寺周辺にお住まいの方の残尿感、頻尿、排尿痛、尿の出にくさなど、排尿に関する症状についてご相談いただけます。

まとめ

  • 残尿感と、実際に尿が残っている「残尿」は同じではありません
  • 女性では急性膀胱炎、男性では前立腺肥大症や前立腺炎が代表的な原因です
  • 過活動膀胱や神経因性膀胱など、男女共通の原因もあります
  • 尿検査や残尿測定などで原因を確認します
  • 排尿痛、血尿、発熱、尿の出にくさを伴う場合は早めの受診が必要です
  • 尿がまったく出ない場合は、速やかに医療機関へ相談してください

 

Q&A

Q1.残尿感があるのに、実際には尿が残っていないこともありますか?

はい、あります。

「残尿感」は尿が残っているように感じる症状であり、実際に膀胱内へ尿が残っている「残尿」とは必ずしも一致しません。

膀胱炎や前立腺炎などによって膀胱や尿道が刺激されると、尿がほとんど残っていなくても、排尿後にすっきりしないと感じることがあります。実際の残尿量は、超音波などを使った残尿測定で確認できます。

Q2.残尿感がある場合は何科を受診すればよいですか?

泌尿器科を受診してください。

泌尿器科では、尿検査や残尿測定などを行い、膀胱炎、前立腺肥大症、前立腺炎、過活動膀胱などの可能性を調べます。

女性の場合も、排尿に関する症状は泌尿器科で相談できます。

Q3.女性の残尿感で最も多い原因は何ですか?

突然現れた残尿感に、頻尿や排尿時の痛みを伴う場合は、急性膀胱炎が代表的な原因です。

ほかにも、過活動膀胱、骨盤臓器脱、神経因性膀胱などで残尿感が起こることがあります。症状だけでは原因を確定できないため、尿検査などによる確認が必要です。

Q4.男性の残尿感は前立腺肥大症が原因ですか?

中高年男性では、前立腺肥大症が代表的な原因の一つです。

特に、尿の勢いが弱い、排尿に時間がかかる、尿が途中で途切れる、夜中に何度もトイレへ行くといった症状があれば、前立腺肥大症の可能性があります。

若い男性では、慢性前立腺炎や尿道炎なども考えられます。

Q5.残尿感は自然に治りますか?

一時的な刺激などによる軽い残尿感は自然に改善することもありますが、原因によって異なります。

膀胱炎、前立腺肥大症、前立腺炎などが原因の場合は、適切な検査や治療が必要です。数日たっても改善しない場合や、症状を繰り返す場合は泌尿器科を受診しましょう。

Q6.残尿感があるときは水をたくさん飲んだ方がよいですか?

無理に大量の水を飲む必要はありません。

水分を過剰に摂取すると排尿回数が増え、かえって症状がつらくなることがあります。脱水にならない程度の適切な水分摂取を心がけ、原因を確認することが大切です。

発熱や嘔吐がある場合、心臓・腎臓の病気で水分量を指示されている場合などは、医療機関へ相談してください。

Q7.市販の膀胱炎薬を飲んで様子を見てもよいですか?

残尿感だけで膀胱炎と判断することはできません。

前立腺肥大症、前立腺炎、過活動膀胱など、膀胱炎以外の病気でも残尿感は起こります。特に男性の膀胱炎症状、繰り返す症状、発熱や血尿を伴う場合は、自己判断を続けず泌尿器科を受診してください。

Q8.残尿が多い状態を放置するとどうなりますか?

残尿が多い状態が続くと、尿路感染症を繰り返したり、膀胱結石ができたりする可能性があります。重度の排尿障害では、腎臓の働きに影響することもあります。

ただし、残尿感の強さだけでは実際の残尿量は判断できません。超音波などによる残尿測定が必要です。

Q9.残尿感と一緒に血尿がある場合は大丈夫ですか?

膀胱炎でも血尿が出ることはありますが、尿路結石や膀胱・腎臓の病気など、ほかの原因でも起こります。

目で見て分かる血尿がある場合は、痛みがなくても泌尿器科を受診してください。血の塊が出て尿が出にくい場合は、速やかな受診が必要です。

Q10.どのような場合はすぐに受診すべきですか?

次のような場合は、早急に医療機関へ相談してください。

  • 尿意があるのに尿がまったく出ない
  • 下腹部が張って強く痛む
  • 発熱や悪寒がある
  • 背中や脇腹が強く痛む
  • 吐き気や嘔吐がある
  • 血の塊が出て尿が出にくい

尿閉や腎盂腎炎など、早めの処置が必要な状態の可能性があります。

ぐみょうじ泌尿器科

CATEGORYカテゴリー

TAGタグ