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膀胱癌とは?血尿などの症状・原因・検査・受診の目安を泌尿器科専門医が解説
「尿に血が混じった」「赤い尿が出たけれど、痛みはない」「健康診断で尿潜血を指摘された」
こうした症状や検査結果があると、膀胱癌を心配される方も少なくありません。
血尿の原因は膀胱炎、尿路結石、前立腺疾患などさまざまで、血尿があるからといって膀胱癌とは限りません。一方で、膀胱癌を含む尿路の悪性腫瘍が血尿をきっかけに発見されることが多く、特に目で見て分かる血尿を一度でも認めた場合には、泌尿器科で原因を確認することが重要です。
「血尿診断ガイドライン2023」では、肉眼的血尿は尿路上皮癌を評価するうえで高リスク群として扱われています。
横浜市南区のぐみょうじ泌尿器科では、日本泌尿器科学会専門医の院長が、血尿や排尿症状について泌尿器科の視点から診療しています。
膀胱癌の症状概要
膀胱癌は、膀胱の内側を覆っている尿路上皮などから発生する悪性腫瘍です。
代表的なきっかけとなる症状は血尿です。
特に注意したいのが、
- 尿が赤い
- ピンク色の尿が出た
- 血の塊が混じった
- 痛みがないのに血尿が出た
といった肉眼的血尿です。
血尿は一度出たあと自然に消える場合があります。しかし、血尿が止まったことだけでは原因がなくなったとは判断できません。
進行した膀胱癌では、血尿だけでなく、頻尿、排尿時痛、尿が出にくいなどの排尿症状や、尿路閉塞による腎機能障害・痛みなどが起こることがあります。
血尿を起こす主な原因|良性疾患と悪性疾患
血尿が出る病気は膀胱癌だけではありません。
血尿診断ガイドラインでは、泌尿器科で診療する肉眼的血尿の原因として、膀胱癌のほかにもさまざまな疾患が挙げられています。
良性疾患
代表的なものとして、
- 膀胱炎
- 腎盂腎炎
- 尿管結石・腎結石
- 膀胱結石
- 前立腺炎
- 前立腺肥大症
- 間質性膀胱炎
- 外傷
- 運動後の血尿
などがあります。
たとえば膀胱炎では、血尿とともに排尿時の痛みや頻尿、残尿感などを伴うことがあります。
尿管結石では、血尿に加えて脇腹から背中にかけて強い痛みが出ることがあります。
悪性疾患
一方、血尿の原因となる悪性疾患には、
- 膀胱癌
- 腎盂癌
- 尿管癌
- 腎癌
- 前立腺癌
などがあります。
症状だけで良性・悪性を完全に区別することは困難です。
「痛くないから大丈夫」「一回しか血尿が出なかったから問題ない」と自己判断せず、血尿が確認された場合には原因を調べることが大切です。
膀胱癌の危険サイン
膀胱癌そのものを症状だけで診断することはできませんが、次のような場合は泌尿器科での評価をおすすめします。
痛みのない肉眼的血尿
痛みや発熱がないのに赤い尿が出た場合も、尿路の病気を調べる必要があります。
特に肉眼的血尿は重要な所見です。
血尿を繰り返す
「数日前に赤い尿が出たが、今日は正常」という場合でも、受診の必要性がなくなるわけではありません。
診察時には、血尿が出た日時、尿全体が赤かったのか、一部だけだったのか、血の塊があったかなどを医師へ伝えてください。
尿の血の塊が多く、尿が出にくい
強い血尿によって膀胱内に血の塊がたまると、尿の流れが妨げられることがあります。
膀胱癌診療ガイドラインでも、進行例では強い肉眼的血尿による膀胱タンポナーデが問題になることが記載されています。
血尿が多く、尿がほとんど出ない場合は早めの医療機関受診が必要です。
膀胱癌には「筋層非浸潤性」と「筋層浸潤性」がある
膀胱癌は、癌が膀胱の壁のどこまで入り込んでいるかによって、その後の治療方針が大きく異なります。

筋層非浸潤性膀胱癌
癌が膀胱の筋肉の層まで達していないものです。
治療では、尿道から内視鏡を入れて腫瘍を切除する**経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)**が重要な役割を持ちます。
ただし、筋層非浸潤性膀胱癌でも再発や進展のリスクは一様ではありません。
日本泌尿器科学会の膀胱癌診療ガイドラインでは、腫瘍数、腫瘍の大きさ、再発歴、病理学的深達度、上皮内癌の有無、異型度などを考慮してリスクを評価します。
高リスクの一部では、初回TURBT後に再度切除を行って残存腫瘍や筋層浸潤の有無を確認することが重要になります。
病状によってはBCG膀胱内注入療法などが検討されます。
筋層浸潤性膀胱癌
癌が膀胱の筋層まで入り込んでいる場合です。
病期、年齢、全身状態、腎機能などを総合して、膀胱全摘除術、薬物療法などを含む治療方針が検討されます。
一部の症例では、TURBT、化学療法、放射線療法を組み合わせた膀胱温存療法が治療選択肢として検討されることもあります。
どの治療が適しているかは、癌の深さだけでなく、病理診断、広がり、患者さんの全身状態や希望などを踏まえて個別に判断されます。
膀胱癌が疑われるときに行われる検査
血尿がある場合、まず「血尿の原因がどこにあるのか」を調べることが重要です。
問診
血尿について、
- いつから出たか
- 何回出たか
- 痛みがあるか
- 血の塊があるか
- 発熱があるか
- 排尿時痛や頻尿があるか
- 喫煙歴があるか
- 過去の治療歴や薬剤使用歴
などを確認します。
血尿診断ガイドラインでは、喫煙歴、年齢、肉眼的血尿の既往などが尿路上皮癌のリスク評価に用いられています。
尿検査・尿沈渣
尿中に赤血球がどの程度存在するか、蛋白尿や感染を示唆する所見がないかなどを確認します。
血尿には膀胱や尿管などの泌尿器科疾患だけでなく、腎炎など腎臓そのものの病気が関係している場合もあります。
尿細胞診
尿の中に悪性を疑う細胞がないか顕微鏡で調べる検査です。
ただし、尿細胞診だけですべての膀胱癌を診断できるわけではないため、必要に応じて他の検査と組み合わせます。
膀胱鏡検査
膀胱内を内視鏡で直接観察し、腫瘍がないか確認する検査です。
膀胱癌の診断・経過観察において重要な検査であり、膀胱癌診療ガイドラインでも、治療後の経過観察では通常の膀胱鏡検査が中心となることが示されています。
画像検査
超音波検査やCTなどを病状に応じて行います。
血尿診断ガイドラインでは、尿路上皮癌の高リスク患者に対する評価として、膀胱鏡検査、CT urography、尿細胞診などを組み合わせる診断アルゴリズムが示されています。
ただし、どの検査が必要かは年齢、腎機能、血尿の程度、既往歴などによって異なります。
TURBTによる病理診断
膀胱内に腫瘍が確認された場合、最終的な診断や癌の深さを評価するために、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)が行われます。
切除した組織を病理検査することで、癌の種類、悪性度、膀胱壁への浸潤の程度などを調べ、その後の治療方針を決めます。

血尿や膀胱癌が気になるときに泌尿器科を受診する理由
膀胱は尿路を専門とする泌尿器科の診療領域です。
血尿についても、膀胱癌だけを調べればよいわけではありません。
腎臓、腎盂、尿管、膀胱、前立腺、尿道など、尿の通り道全体を考えて原因を判断する必要があります。
血尿診断ガイドラインでは、肉眼的血尿を尿路上皮癌の高リスクとして扱い、泌尿器科専門医への紹介を含む評価が示されています。
特に、
「血尿は出たけれど痛くない」
「一度だけ赤い尿が出た」
「健診の尿潜血だけなので症状はない」
という場合でも、泌尿器科で相談する意義があります。
膀胱癌が心配なときの受診目安
なるべく早めに泌尿器科へ相談したい症状
- 目で見て分かる血尿が出た
- 痛みのない血尿が出た
- 血尿を繰り返している
- 健診で尿潜血を繰り返し指摘されている
- 血尿に頻尿や排尿時痛を伴う
- 喫煙歴があり血尿を指摘された
肉眼的血尿は、一度だけであっても相談してください。
より迅速な受診が必要な状態
- 大量の血尿が続く
- 血の塊が多く出る
- 尿意があるのに尿がほとんど出ない
- 強い痛みや発熱を伴う
- 全身状態が悪い
このような場合は、通常の予約受診を待たず、症状に応じて速やかに医療機関を受診してください。
まとめ
膀胱癌で特に注意したい症状の一つが血尿です。
ただし、血尿には膀胱炎、尿路結石、前立腺疾患、腎疾患など多くの原因があり、血尿=膀胱癌というわけではありません。
一方で、特に目で見て分かる肉眼的血尿は、痛みがなくても泌尿器科で確認することが重要です。
また、血尿は一度だけ出て、その後消える場合もあります。
「もう止まったから大丈夫」と考えるのではなく、一度でも赤い尿を認めた場合は、血尿が出た経過を泌尿器科医へ伝えてください。
膀胱癌は病気の深さや悪性度によって治療方針が大きく異なるため、適切な検査によって診断することが重要です。

膀胱癌についてよくある質問
Q1.痛くない血尿でも膀胱癌の可能性がありますか?
あります。ただし、痛みのない血尿だから膀胱癌と決まるわけではありません。
血尿の原因には膀胱炎、結石、前立腺疾患などもあります。一方、肉眼的血尿は尿路上皮癌を評価するうえで重要な所見なので、痛みがなくても泌尿器科を受診してください。
Q2.血尿が一回だけ出て、その後治りました。受診は必要ですか?
受診をおすすめします。
肉眼的血尿は一時的に消えることがあります。血尿が止まっただけでは原因が解決したかどうかは判断できません。
一度でも目で見て分かる血尿が出た場合は、その経過を泌尿器科で相談してください。
Q3.健康診断で尿潜血が陽性でした。膀胱癌でしょうか?
尿潜血陽性だけで膀胱癌と診断されるわけではありません。
尿路結石、感染症、腎疾患などでも血尿を認めることがあります。年齢、尿中赤血球数、喫煙歴、肉眼的血尿の既往などを考慮して、必要な検査を判断します。
Q4.膀胱癌は超音波検査だけで分かりますか?
超音波検査で膀胱内の異常が見つかる場合はありますが、超音波検査だけですべての膀胱癌を否定することはできません。
血尿診断ガイドラインでも、腹部超音波検査や尿細胞診について尿路上皮癌の検出感度が十分ではないことに注意する必要があるとされています。
必要に応じて膀胱鏡やCTなどを組み合わせて評価します。
Q5.膀胱癌は何科を受診すればよいですか?
泌尿器科です。
血尿や膀胱癌だけでなく、腎臓、尿管、膀胱、前立腺、尿道など尿路全体を評価するのが泌尿器科です。
赤い尿が出た、尿潜血を指摘された、血尿を繰り返すなどの症状がある場合は、泌尿器科へご相談ください。
血尿・膀胱癌が気になる方はぐみょうじ泌尿器科へ
血尿は比較的よくみられる症状ですが、その原因は膀胱炎や尿路結石から膀胱癌などの悪性疾患まで幅広くあります。
特に「痛くない血尿」「一度だけ出た血尿」も、自己判断で様子を見続けず、一度泌尿器科で相談することをおすすめします。
ぐみょうじ泌尿器科では、日本泌尿器科学会専門医・がん治療認定医の院長が診療を行っています。
ぐみょうじ泌尿器科
〒232-0067 神奈川県横浜市南区弘明寺町137-6
TEL:045-326-6212
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