頻尿とは

「尿の回数が多い、トイレが近い」などの症状を頻尿と言います。
これには一応定義があり、「朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上」となっています。
また「夜間頻尿」については「夜間、排尿のために1回以上起きなければならない」と定義付けられています。
しかし、1日の排尿回数は摂取した水分量や、その日の気温などにも大きく左右され人によって様々です。一概に日中8回以上、夜1回以上だから異常であるとは言えません。排尿回数が何回であったとしても自分が気になるようであれば頻尿と言えます。
昼間頻尿であれば外出を控えてしまったり、旅行が楽しめないなど生活に支障が出てきます。また夜間頻尿であれば翌日も眠いまま集中出来なかったり、転んで骨折してしまう可能性も上がります。
夜間頻尿があると死亡率が上がる、と聞いた事はないでしょうか。
一般的に夜間頻尿の方は高血圧や糖尿病などの基礎疾患がある事が多いと言われています。
「夜間頻尿診療ガイドライン」によると、死亡率が高いのはその基礎疾患のせいであるとの報告もありますが、「2回以上の夜間頻尿がある高齢者では、1回以下の人に比べて死亡率が1.98倍であった」との報告があります。

頻尿の原因

原因として過活動膀胱が一番有名ですが、他にも前立腺肥大症、神経因性膀胱などの病気
や多尿(尿量が多いこと)、尿路感染症、腫瘍、心因性などが原因となります。
特に過活動膀胱に対しては新しいお薬や治療法も出てきております。

過活動膀胱 ⇒詳しくはこちら

当院では、ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法を行い過活動膀胱の治療を行っております。

ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法とは?

ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法とは?

ボツリヌス菌が作る「ボツリヌストキシン」を膀胱鏡を用いて膀胱の筋肉に直接注射します。膀胱鏡には硬性膀胱鏡と軟性膀胱鏡がありますが、当院では疼痛を減らすため軟性膀胱鏡を使用しております。
ボツリヌス菌を直接注入するわけではないので、ボツリヌス菌に感染する心配はありません。ボツリヌストキシンは過剰な膀胱の筋肉の緊張を緩めて異常な収縮を抑える効果があります。
行動療法や内服だけでは治療効果が不十分な方を対象に行います。
当院では過活動膀胱の女性に対して、日帰りで施術を行っております。

治療当日について

治療当日は施術3時間前から飲食をしないで来院して頂きます。
また来院時には尿検査を行い、感染症がないか確認を行います。
局所麻酔を行った後に施術開始となります。
施術時間は10~30分程度ですが、術後自分で排尿できるかを確認してから帰宅となります。
ですので、麻酔時間を含めてクリニック滞在時間は1~2時間程度になります。

治療後の通院について

効果は通常2~3日であらわれます。
治療後1~2週間後に来院頂き、副作用や残尿量などを確認します。
効果は4~8ヶ月持続します。効果が無くなってくれば再治療を検討します。

治療に注意が必要な方

ボツリヌス療法を受けられない方

当院でボツリヌス療法が受けられない方

上記患者様は近隣の入院可能な施設をご紹介させて頂きます

ボツリヌス療法の副作用

残尿量の増加、尿閉については時間の経過と共に症状は改善します。
それまで自己導尿が必要となる場合があります。

※自己導尿とは十分な自排尿が困難となった方で、自分で管を尿道から入れて膀胱にたまった尿を排出する方法です。