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血尿について
2021年5月27日に神奈川新聞朝刊「教えてドクターQ&A」に掲載された記事です。
院内にも掲示してあります。気になる方はご参考頂き、すぐに泌尿器科を受診して下さい
Q.最近、尿に血が混じる時と混じらない時があります。これは、どのような病気が考えられるでしょうか?(48歳男性)
A.尿に血が混じると驚かれると思いますし、不安になりますよね。実は血尿には目に見えて血が混じる「肉眼的血尿」と、目には見えませんが検査をすると血が混じっている「顕微鏡的血尿」に分かれます。今回の質問は肉眼的血尿ですので、そちらに絞ってお話させて頂きますね。
血尿の原因は様々ありますが、その中で最も恐ろしい原因は癌です。質問者様のご年齢を考えると可能性は低いですが無視はできません。膀胱癌、腎盂尿管癌、腎癌、前立腺癌などを念頭に置いて検査していきます。他の原因として考えられるのは尿路の感染症や腎臓自体の病気である糸球体疾患、尿路結石などです。他にも原因不明な特発性腎出血や前立腺出血などもあります。
受診されたら、まずは尿検査や超音波検査などその場ですぐにできるものから行います。尿路の感染症であれば尿検査で異常が出ますし、尿路結石も超音波検査でわかる事が多いです。初期段階ではわかりづらい事が多いですが、癌もこの時点で診断できる可能性があります。場合によっては尿中に癌細胞が無いかを調べる「尿細胞診」という検査や、採血検査を行っていきます。
更に必要であれば追加検査を行います。CTやMRI、膀胱の中を直接内視鏡で観察する膀胱鏡という検査など様々です。中には入院が必要な検査もありますので主治医とよく相談しましょう。
肉眼的血尿が出続けているのに長く放置すると貧血にもなりますし、「膀胱タンポナーデ」には注意が必要です。これは膀胱の中で大きな血の塊が出来てしまい、それが膀胱の出口を塞いで尿が出なくなっている状態です。この場合は急いで血の塊を除去して尿が出る状態にしてあげる必要があります。
血尿は異常を知らせるサインです。「血が止まったからいいや」は危険です。自分の体が教えてくれているサインを見逃さずに、尿に血が混じっていればすぐに泌尿器科を受診した方が良いでしょう。
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